何故、人は子を産み育てるのか


中学二年生的な考察だけど、大人になった今でも尚、常々思っている事がある。
人はどうして子供を産み、育てるのかな。
たまたま命中して所謂出来ちゃったなら、なんだか後ろ向きなニュアンスしか伝わらないけど分かる。
動物ですから、本能に抗わず自然に授かったものを大切に育てるのが自然の摂理というか。

だけど、欲しい!という衝動から子を産み育てる人は、どんな理由で子供を持つのでしょう。
何となく可愛いじゃん。ちっさくてフワフワしてるから手に入れたい。
跡継ぎが必要なんだ。
代々受け継いだこの性を継ぐ男を授からなければ先祖に顔向け出来ん。
子供を育てる喜びを感じたい。
子供の成長を生き甲斐にしたい。
将来一緒にお酒を飲みたい。
自分が動けなくなった際には介護して欲しい。
色んな理由があると思うけど、親の自己中心的な考え以外の明確な動機を聞いた事が無い。

子を持つ皆さんは、自分の子に自分が産まれた意味を問われたら何と答えるのでしょうか。
子供は親を選べません。という以前に、生死の選択が出来ません。
悪い言い方をすると親の勝手でこの世に産み落とされたわけです。
子が産まれたら親は満足でしょう。手がかかるけど可愛くてしょうがないでしょう。
可愛くてしょうがないから、幸せな人生を歩むよう努力して育てるでしょう。
間違った道に進まぬよう手を引いて導くでしょう。
だけど、そもそも産まなければ悲しい思いをする怖さや、死の恐怖に苛まれる事なんて無いですよね。
産まれてしまったんだから生きるしかありません。死ぬのは痛いし、怖いですから。

もしかしたら幸せを感じる機会も少ないかもしれません。
失敗して恥ずかしい思いも沢山するでしょう。
死にたくなるほど後悔する事だって山ほどあるに違いありません。
それなのに何故、人は子を産み繋いでゆくのでしょうね。

何かの機会に読んだ小説にこんな一節があった事を思い出す。

昔は今ほど「個人」を尊重する時代では無かった。
そのため結婚したら子供を作り、家を継ぎ…という流れが、あって当然のものだったと。

しかしそれはある種機械的な社会の流れの一部でありながら、やはり人にとっての喜びそのものだったそうで
誰しもが我が子に会いたいと熱望して病まなかったんだそう。それが最上級の「幸せ」なのだからと。
現代人だからとか、最近の若いもんは…と括られたらそれまでですが
私からしたら「だから何だっていうの」としか思えないわけです。

そこに気付き始めた人が多いから、少子高齢化と呼ばれる時代に行き着いたのではないのではないのかと。
私達の年代から下は、ただ生きるだけでどんどんお金だってかかるっていうのに、
自分以外の誰かにお金なんてかる余裕などないんだと。
産まれてしまったんだから自分を生かすために必死にならなきゃいけないんだと。
子供を産んだところで、余計苦しい人生を歩ませる事にだってなりかねない。
だったらハナから産まなきゃいいじゃん。と思うわけです。

生きてりゃ辛い事ばっかりです。
幸せな思い出より、辛い思い出の方が多いのは不幸な思い出の方が心に余計な負荷が掛かる分、強烈な印象になるからです。
いわばこの世は地獄みたいなものですよね。

布団に入り、微睡んでる時間の幸福感を思い出してください。
二度寝に入る夢と現実の端境の心地よさを思い出してください。
一方で寝起きの不快感ときたらありません。
また今日が始まるという不幸な気分を抱きながら朝を迎える人は
今の時代どれくらい居るのでしょうね。

人間、極力意識の働かぬ世界に生きる方が幸せなのです。
無意識の世界が天国だとしたら、この世は地獄そのものじゃないですか。
だから産まれたばかりの赤ちゃんは大声で泣き叫ぶんじゃないかと思うわけです。